家の金額と仕様が書いている見積書。
見積もり書なんてまだまだ先という方、これから見積もりが出てくる予定の方は住宅会社の見積書はどんな物かあまりイメージがつかないのではないでしょうか?また、すでに見積もりが出ているという方も、家の金額は分かったけれども見積書が分かりづらいという方も多いと思います。
それだけ、見積書は簡単に理解しづらいものなんですね。
なぜなら、見積書は会社によっても違いますし、見積もり方法も会社によって違うからです。ただ、見積もり方法は大きく3種類に分けることができます。そして、この3種類の見積もり方法を知っているだけで、見積書はかなり分かりやすく理解しやすくなります。
今回は、家を建てるなら避けては通れない「見積書」ついて見ていきましょう。
目次
見積書の種類
住宅会社の見積もり方法は大きく分けて3つあります。
- 家で使う材料を1つずつ積み上げていく「積み上げ方式」
- 見積もりを統計によって簡略化した「システム方式」
- 本体金額にオプションをプラスしていく「オプション方式」
このような3パターンに分けることができます。私が今まで見てきた中ではほとんどこの3パターンです。
それでは詳しく見ていきましょう。
積み上げ方式
積み上げ方式とは、その名のとおり家で使う部材を1つ1つ積み上げていって家の総額を出す方式です。
例えば基礎工事なら基礎の鉄筋に〇〇円、コンクリートに〇〇円、人工が〇〇円(にんくと読みます。職人の手間代の事ですね)という様に、1つ1つ細かい項目を積み上げていきます。同じように設備や構造も積み上げていき、家の価格は〇〇円という金額がでます。
メリットとしては、1つ1つ項目を出していくので実際に建つ家との誤差が少なく、かなり正確な見積もりが出ます。また、項目を積み上げていくのでどんな家でも対応でき、複雑な家や特殊な家になるとほぼ100%この方法で見積もりをつくります。
デメリットとしては、項目によっては工事業者に見積もりをとる必要があるので、見積もりをつくるのに時間がかかり、すぐに見積もりを出す事ができません。また、見積もりをつくる積算担当の腕や性格次第で金額に誤差が出てきます。
見積もり積み上げ方式は大きな会社から小さな会社まで幅広く使われているのが特徴です。
ちなみに弊社ではこの(原価)積み上げ方式を採用しており、デメリットである見積り誤差は代表が全物件見積もりすることで解消しています。
システム方式
システム方式とは見積もりの仕方にルールを設けて、そのルールに従って家の金額を出す方法です。
例えば、家の形が凸凹していたら、凸凹1カ所につき〇〇円というのをあらかじめ決めてしまいます。そして、凸凹が2カ所の家は〇〇円×2カ所で計算して家の金額に加算していきます。家の金額がルールに沿って出るようになるという事ですね。どうしてもルールに沿わないケースが出てきた場合は、別途計算して家の金額に加算していくので、かなり特殊な家以外、ある程度どんな家にも対応できます。
このようなルールを元に家の金額を出す仕組みのメリットとして、誰が計算しても誤差が少なく、システム化されているために見積もりにかかる時間もあまりかからないので、早く見積もりが出せます。また、積算に必要な人間を少なくして効率化できるので、人件費が減るぶん建物の価格を抑えることができます。(会社の方針によりますが・・)
デメリットとしては、導入するには高度な統計学が必要になるので、ゼロから作り上げるのは困難な上、ルールなど見積もり方式を決めるのにかなりの時間と労力がかかります。(見積もりのベースをつくって住宅会社に販売している会社もあるので、同じような見積もりを出している会社もあります。)さらに、見積もりのルールまで完全に理解しているお客さんはあまりいなく、見積もりの仕組みを何となく理解したという人がほとんどです。
この見積もりシステム方式は、ある程度規模の大きい会社とほとんど一人でやっているような会社がよく使う傾向にあります。家1軒1軒を積み上げ方式で見積もりをつくっていくと、家の件数が増えれば増えるほど膨大な時間がかかるため、会社が大きくなるにつれて見積もりをシステム化し効率を上げていくからです。また、少人数で工務店をやっている人は、見積もりに時間がとられると他の仕事が回らなくなるため、見積もりの効率化をはかるからです。
この見積もりシステム方式は、統計から金額を出すので多少の誤差は出ますが、合理的な見積もり方法と言えます。
オプション方式
オプション方式というのは、家本体の価格が決まっていて、追加したオプションの金額を加算して家の価格を出す方法です。
たとえば、何種類かある本体価格が決まっている家から1つを選んで、キッチンとお風呂のグレードをあげると家本体+〇〇円といった感じです。家を商品として選ぶようになっている企画住宅に多い見積もり方式です。
メリットは、金額が一番簡単に、しかもすぐに分かる事です。家は見積もりが出てくるまでいくらになるか分からないものですが、オプション方式だと誰でも簡単に金額をだせます。
デメリットとして、選べる家やオプションが限られてくる事です。本体価格が決まった家はそんな数多く種類はありませんし、オプションも決まった中から選ぶ事しかできません。企画住宅というある程度の割り切りが必要となります。
このオプション方式は、ハウスメーカーや工務店の企画商品で高い確率で採用されています。
まとめ
見積もり方式には大きく分けて3種類あります。「積み上げ方式」、「システム方式」、「オプション方式」の3つです。この3種類を頭に入れておけば、見積もりの説明をされた時にすんなりと見積もりの内容を頭に入れる事ができます。反対に、見積もり方式を知らなければ、見積もりの説明の時に頭がこんがらがってあまり説明が入ってこない事がよくあります。初めてみる家の金額だけで頭は予算、ローンのことでフル回転します。その上、見積もりの説明を余裕を持って聞く事ができないからです。
見積もりの説明はとても大事です。見積もりの方法を頭に入れておいて、落ち着いて見積もりの説明を受ける事ができれば、家づくりがグッと成功に近づくので、ぜひ頭に入れておいてください。